【キャリアチェンジ図鑑・20代編】第5回:医師・研修医|転職と年収のリアル、大学病院を出るべきタイミングを話します
おはようございます。今日も家と病院の往復、お疲れ様です。
「研修医なのに年収が思ったより低くて、ちょっと焦ってる」
「大学病院にいていいのか、民間病院に出た方がいいのか迷っている」
「転職エージェントって医師でも使っていいの?」
そんなことを、当直明けのスマホスクロールで考えている先生に読んでほしい記事です。
結論から言います。20代医師の転職・職場選びは、早く動いた方が有利です。キャリアもお金も、タイミングを逃すと取り戻しにくくなる。これは医師に限らず、あらゆる職種に共通する話です。
でも、正直に言います。医師のキャリアは選択肢が多く、情報も複雑です。「とにかくいい病院に転職すれば年収が上がる」という単純な話ではありません。何を大切にするか、どんな医師になりたいかによって、最適解はまったく変わってきます。
私自身は医師ではありませんが、転職5回・投資・資産形成を実践してきた立場から、「お金とキャリアをどう設計するか」という視点でリアルな話をします。
20代医師の年収のリアル
「医師=高年収」のイメージがありますが、20代の現実は少し違います。
医学部は6年制のため、医師として働き始めるのは最短でも24歳です。そこから2年間の初期臨床研修(研修医)期間が始まります。研修医の年収は450万〜500万円が相場(2025年時点・主要医師転職サイト調査)で、月給に換算すると35万〜40万円ほど。一般企業の20代平均(330〜400万円)と比べると高いですが、夜勤・当直を含む長時間労働を考慮すると、時給換算では決して高くないのが現実です。
研修医期間はアルバイトが原則禁止のため副収入を得られず、「医師なのに思ったより手元にお金がない」と感じる先生も少なくありません。
その後、専攻医(後期研修医)になると、アルバイトが可能になるケースが増え、年収は600万〜900万円台と大きく幅が広がります。勤務先・診療科・当直の頻度によって差が出るのがこの時期です。そして30代以降、常勤医として経験を積むと、医師全体の平均年収は1,338万円(厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」)に上昇していきます。
つまり、20代はまだ「仕込みの時期」です。今の年収だけで判断せず、キャリアの方向性を正しく設計することが、30代以降の年収に直結します。
大学病院にいるべき?出るべき?(正直なところ)
これは多くの若手医師が悩む問いです。正直に言います。どちらが正解かは、何を優先するかによって変わります。
大学病院の強みは、専門性を深められること、症例の豊富さ、研究・論文のキャリアを積めることです。一方で、年収は民間病院と比べて低めになりやすく、当直・雑務の負担が大きいというのが多くの医師のリアルです。医師転職研究所の2025年調査によると、大学病院勤務の年収は800万円未満が多く、他の勤務先と比べて低水準です。
民間病院・クリニックへ移ると、年収は上がりやすい半面、専門性を深める機会や研究環境は減る場合があります。地方の病院は都市部より年収が高くなるケースも多く、「地方×民間病院」という選択が年収最大化の近道になることもあります。
大切なのは、「今の自分に何が必要か」を整理することです。専門医資格を取るまでは大学病院で基盤を作り、取得後に民間病院へ転職するというルートをとる医師も多くいます。キャリアのステージごとに選択肢を見直すことが、長期的な年収アップと満足度につながります。
転職する具体的なステップ
STEP1:自分のキャリアの優先順位を整理する
「年収を上げたい」「専門性を深めたい」「ワークライフバランスを改善したい」「地域医療に貢献したい」——これらは時にトレードオフになります。まず自分が今何を一番大切にしているかを言語化することが、転職活動の出発点です。曖昧なまま動くと、転職先でまた同じ悩みを繰り返します。
STEP2:専門医資格取得のタイミングと転職を合わせて考える
専攻医として専門医プログラムを修了するタイミングは、転職の大きな節目です。「専門医を取る前に転職するか、取ってから動くか」によって、転職先の選択肢と年収の幅が変わります。専門医資格があると交渉力が上がり、より良い条件を引き出しやすくなります。焦って動かず、資格取得後に動く方が得策なケースが多いです。
STEP3:医師専門の転職エージェントに登録して情報を集める
医師の転職市場は、一般の転職サービスとは別物です。医師専門のエージェントを使うと、非公開求人へのアクセス・年収交渉の代行・契約書の確認サポートなど、一人では難しい部分をプロがカバーしてくれます。また「この病院の内情(離職率・当直の実態・人間関係)」を知っているエージェントに相談することで、転職後のミスマッチを防げます。登録・相談は無料なので、転職を決める前から情報収集として使う価値があります。
STEP4:条件を比較して、納得のいく転職先を選ぶ
年収・勤務時間・当直回数・専門性・立地・福利厚生など、複数の条件を並べて比較します。特に「年収の額面」だけでなく、当直手当・賞与・住宅補助を含めた実質年収で比較することが重要です。エージェント経由だと複数病院の条件を並べて見せてもらえるので、比較がしやすくなります。
平均年収と将来性
改めて整理します。
厚生労働省「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、医師の平均年収は1,338万円です。ただしこれは全年代の平均。20代研修医は450万〜500万円、専攻医は600万〜900万円台、30代以降の常勤医で1,000万円超というのが年代別のリアルな推移です。
診療科によっても大きく差があり、美容外科・皮膚科・眼科などの自由診療系は高年収になりやすく、小児科・産婦人科・精神科などは平均を下回るケースが多いとされています。
将来性については、医師という職業はAIに代替されにくい最上位の職種のひとつです。診断補助ツールとしてAIが活用される場面は増えていますが、患者と向き合い、総合的な判断を下す医師の役割は今後も変わりません。少子高齢化による医療需要の増加を背景に、医師の需要は安定して続くと見られています。
【番外編】医師の年収で始める、本気の資産形成
ここで少し、お金の話をさせてください。
医師は将来的に高収入が期待できる職業です。だからこそ、「稼いでから考えよう」と後回しにする人が多いのも事実です。でも、投資においては「いつ始めるか」が「いくら稼ぐか」と同じくらい重要です。
たとえば、研修医として年収480万円(手取り約33万円/月)からスタートし、その20%の月6万5,000円をNISA積立枠でeMAXIS Slim全世界株式(通称オルカン)に投資し続けると、年利5%複利で計算した場合、次のようになります。
| 期間 | 月6万5,000円を積み立てた場合 |
|---|---|
| 10年後 | 約1,008万円 |
| 20年後 | 約2,679万円 |
| 30年後 | 約5,441万円 |
30代以降に年収1,000万円超になった段階で積立額を増やせば、さらに大きな資産になります。
「月3万円の最小スタート」でも、30年後には約2,510万円(年利5%複利・NISA積立枠)。大事なのは金額より始める年齢です。25歳スタートと35歳スタートの差は約1,600万円になります。
高収入が見込める職業だからこそ、早いうちから投資を習慣化することで、将来の選択肢が大きく広がります。「お金のために働く」ではなく「好きな医療に集中できる環境を、お金の力で守る」という発想が、キャリアの自由度を高めます。
※上記はすべてNISA積立枠を活用し、年利5%複利で計算したシミュレーションです。実際の運用成果を保証するものではありません。
転職を考えるべきタイミング・考えなくていいタイミング
転職を真剣に考えるべきタイミング
専門医資格を取得した直後は、転職市場での価値が最も高まる時期です。また、「今の職場では目指すキャリアに必要な経験が積めない」と感じたとき、長時間労働・ハラスメントなど健康や生活に支障が出ているとき、明らかに市場水準より低い年収で働いていると気づいたときも、動くべきタイミングです。
急がなくていいタイミング
専門医プログラムの途中で転職すると、資格取得が遅れるリスクがあります。「なんとなく今の職場が嫌」という漠然とした理由だけで動くと、転職先でも同じ問題にぶつかりやすいです。まず「何が問題か」を整理してから動くことをおすすめします。転職エージェントへの登録は、転職を決める前の情報収集段階から活用できます。
まとめ|動いた分だけ、未来は変わる
20代の医師・研修医にとって、今は「仕込みの時期」です。年収が低いのは一時的なことで、キャリアを正しく設計すれば30代以降の年収と自由度は大きく変わります。
大学病院にいるべきか出るべきか、転職エージェントを使うべきか——答えはひとつではありません。でも、情報を集めて選択肢を広げておくことは、今すぐできます。
医師専門の転職エージェントに登録して、まず「自分の市場価値」を確認するところから始めてみてください。
漠然とした不安を抱えて時間を消費するより、動いた方が人生は変わる。
学んで、行動して、自分の人生を生きましょう。
